とりあえず一枚

映画とかアニメとか本とか音楽が好き。とりあえず一枚の絵を描いて、感想をまとめます。

映画『勝手にふるえてろ』

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元日に見た映画『勝手にふるえてろ

綿矢りさ原作。監督&脚本・大九明子。主演・松岡茉優。助演&主題歌・渡辺大知(黒猫チェルシー)。

原作は未読。

 

10年間、中学の同級生"イチ"に脳内片思いしている24歳OLヨシカ。絶滅危惧種が好きで、アンモナイトの化石を大事に持っていたり、中学時代の"イチ"を脳内召喚したりと、少し変わった女の子。彼女には友達がたくさんいる。カフェの金髪店員、四六時中釣りをするおじさん、最寄駅の駅員、コンビニの三つ編み男子、etc...。彼らにあれこれ話しながら、ヨシカは毎日忙しく楽しく過ごしている。そんなある日、暑苦しいKYな同期"ニ"から告白される。人生初告られの彼女はテンションが上がる。しかし、タイプでない"ニ"との恋愛は気乗りせず、"イチ"が忘れられない彼女は、もう一度"イチ"と再会すべく、他人になりすまし同窓会を計画する。

妄想癖が強い女の子が、必死にもがきながら生きる話。

 

コメディ要素が強く、テンポの良い映画。突然始まるミュージカルや、さまざまな斬新な演出。妄想と現実の巧みな構成。飽きずにどんどん引き込まれていく。

後半にかけてだんだん社会とのバランスが保てなくなっていく彼女は、見ていてヒリヒリした。あぁ、このやり場の無い痛々しさ、綿矢りさっぽいなぁ…、って感じ。

ミュージカル部分は、松岡茉優の歌声がとても心に響いた。しかし監督曰く、これは歌ではなく"叫び"らしい。そう言われると、とても納得した。

松岡茉優の演技は本当にすごかったけど、脇を固める俳優陣も良かった。個性的なキャラクター達が、物語にインパクトと厚みを与えていた。話しかけたくなるような人達。友達になりたいけど話しかけることはできない感じ、分かる。

軽快で楽しい前半から、手から零れ落ちるような息苦しい後半まで、全編見逃すことができない作品だった。

黒猫チェルシーの主題歌も良かった。泥臭い感じが。

 

 

新年一発目から良い邦画に出会えた。原作も読まなくちゃな。

次は何観ようかな。