とりあえず一枚

映画とかアニメとか本とか音楽が好き。とりあえず一枚の絵を描いて、感想をまとめます。

新譜『AL / NOW PLAYING』+α

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今日リリースされた、ALのセカンドアルバム『NOW PLAYING』。

https://m.youtube.com/watch?v=IzFlNf1aGnM

 

あーたまらない。

小山田の声と、それに重なる長澤さんの声。シンプルで飾り気のないサウンドと、軽快で滑らかなリズム隊。カッコいいロックンロールなんだけど、どこか哀愁を孕んだ曲。

前アルバムよりも荒々しさが増して、それはもう、私が聞きたかった彼らの音楽そのもの!

 

中でも1番好きだったのは「ハンアンコタ」。

ギーソロ前のドラムリフ、ベースリフ、その直後チョーキングからのソロ。andymoriを思い出してしょーがない。

andymoriは、昔ベースでコピーした。他にもいろんなバンドをコピーしたけど、藤原さんのベースラインが、本当に1番楽しかった。

 

「ウォータースライダー」や「ドリーマー」は、ビートルズを彷彿とさせるナンバー。フロント2人はビートルズ好きらしいしね。

他にも二胡やキーボードが加入する曲があり、彼らの今やりたいことが目一杯詰まってるように感じた。

andymoriを引き継ぐだけじゃなく、そこから更に進化した多彩なアルバムだった。

 

andymoriが好きだったって人にも、全く彼らを知らない人にも、オススメできる。

 

久しぶりに胸に来るアルバム。良い。

 

 

 

他、最近知って気に入ったバンド達。

 

LUCKY TAPES / Touch!

https://m.youtube.com/watch?v=12o6Sr1MfYE

去年の11月にメジャーデビューが決まったLUCKY TAPES。

ceroSuchmosのような甘くて軽いサウンド。フェスで聴きながら、炭酸のお酒が飲みたくなる。こういった懐かしいノリがやっぱり流行ってるんだね。女の子の声が可愛くて、Cymbalsに通ずる雰囲気を感じる。

男女ツインボーカルのこの曲。だけどこの女の子は正規メンバーじゃないらしい!こんなに良いのに!悲しい。

 

 

ズーカラデル / アニー

https://m.youtube.com/watch?v=zSPEdE651y0

ついさっき知った。

声が良い。最近流行ってるハイトーンではなく、真っ直ぐ心に届くような声。メロディラインも、ノリが良くて楽しくて耳に残る。イントロから、あ、これ良い曲だ!って分かっちゃう感じ。YouTubeを飛び回る時は、最後まで聞かず次に行っちゃうことが多いけど、この曲は最後まで聞き入ってしまった。

ビジュアルがパッとしない所も好き。笑

 

 

新しく良いバンドやアルバムに出会うと、やっぱりワクワクするね。

アニメ『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダー』

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前作に引き続いて3部。全48話。いやぁ長かった。

ストーリーは簡単。ラスボスがいるエジプトを目指す道中、次から次に敵が襲って来る。それを1話か2話で1人ずつ倒していき、仲間が増えたり減ったりする。勧善懲悪のTHE少年漫画。

それが48話もあると、はいはい、また敵出てきて倒すんでしょって感じに、マンネリを感じて正直疲れてしまった。だから私は、ストーリーは1.2部の方が好みかな。

それでもやっぱり、キャラクターの魅力は爆発してる。3部からは何と言ってもスタンドの活躍が見どころ。聞いたことある名言もいっぱいあるし、ラスボスDIOとの最終決戦は、興奮せずにはいられなかった。

OPは1期と比べて微妙やなーって思ってたけど、ラスト2話の演出で、その感想も覆ってしまった。鳥肌立ったよね。曲終わりのクソダサいオラオラに、そんな意図があったなんて…。

 

3部を見終わった後に1番感じたのは、

こうだったああだったっていう感想以前に、

ジョジョという世界に、ガッツリ惚れてしまった!という衝撃。

 

謎のポーズも、最早ネタとなってる名言も、濃すぎる画風も、絶対使わない擬音語も…。いつの間にかその全ての虜になっていた。

漫画にも目を通した。あの力強くて繊細な筆使い、なんで今まで敬遠してたんだろう。芸術と言わしめる訳だ。ルーヴルで展覧会が開かれる訳だ。

 

ハマってしまった私は、アメトーーク!ジョジョ芸人に手を出した。(それよりも先に8部まで見切れよって感じだけど。笑)

そこで面白いなぁと思ったのは、オリラジあっちゃんの言葉。超能力の描写方法について。

 

「超能力というものが、漫画的に初めて表現されたのは、手をかざしてコップがカタカタ動く、という描写方法。これが第一次表現。

そして次に、第二次表現として出たのが、AKIRA。超能力発動の瞬間、壁がベコッと丸く凹む、という表現。

そして第三次。新たに出たのがジョジョ。超能力を、人型で表現するという、斬新な発想。」

 

なるほどなぁ、確かに。

荒木飛呂彦先生の表現方法や画力は、知れば知るほど感服させられる。

個人的に好きなのは、4部でエニグマが人を紙に変えるシーン。

 

今年の夏には、国立新美術館で原画展が開催されるらしいから、これは絶対見に行かなきや。

 

 

5部のアニメ化も噂されていいるが、真偽はまだ不明。新しい情報に期待!

次は何観ようかな。

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アニメ『ジョジョの奇妙な冒険(1st)』

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人に勧められ続けたジョジョ。やった見た!

1部と2部を合わせた全24話。制作はdavid production

今はそのまま続けて、3部を半分くらいまで見てる途中。

 

とにかく最高だったのはOPとED!

昔、誰かの家でこのOPを見た時は、ん?これダサない?って思ってたのに…。

今では、このダサカッコいい熱苦しい曲を、ついつい毎日歌ってしまう。

OP映像の制作は神風動画。ゲームのPVとかをよく作ってる会社らしい。2Dと3Dが入り混じって、ダイナミックなカメラワークの90秒は、目が離せなくて血が滾った。

1部も2部も両方良い!1部はジョナサンのように熱い曲。対して2部はジョセフをイメージして、色っぽい曲になっている。1部の合いの手で、ジョジョジョジョ歌ってる所は、タイミングが難しくてつい練習してしまった。

 

EDは、YESのROUND ABOUT。

何が良いって、毎話の引きが絶妙。先が気になる絶妙なシーンで、Steve Howeのクリーンなギターの音色が響き渡る。その音に、毎回うぁーって叫んでしまう。病み付きになりそう。

そして、ROUND ABOUTはとても長い曲。毎EDで、少しずつ編曲が違うところも見どころ。

 

本編は、ジョジョ初心者の私にとって、とにかく全部刺激的だった。劇画タッチも、決めポーズも、謎の言い回しも、コロコロ変わる色彩も。あーこの名言きいたことあるー!ってのも何回かあった。

敵強すぎやろーって毎回思うけど、案の定ピンチを逆手にやっつけちゃう安定感ももはや面白い。

声優も豪華で良かったね。

 

とにかく最高に熱かった。

人に執拗に勧めたくなる感じが分かる。

とりあえず、3部を最後まで見よう。なんか長すぎて中弛みしてきたから、頑張る。

映画『勝手にふるえてろ』

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元日に見た映画『勝手にふるえてろ

綿矢りさ原作。監督&脚本・大九明子。主演・松岡茉優。助演&主題歌・渡辺大知(黒猫チェルシー)。

原作は未読。

 

10年間、中学の同級生"イチ"に脳内片思いしている24歳OLヨシカ。絶滅危惧種が好きで、アンモナイトの化石を大事に持っていたり、中学時代の"イチ"を脳内召喚したりと、少し変わった女の子。彼女には友達がたくさんいる。カフェの金髪店員、四六時中釣りをするおじさん、最寄駅の駅員、コンビニの三つ編み男子、etc...。彼らにあれこれ話しながら、ヨシカは毎日忙しく楽しく過ごしている。そんなある日、暑苦しいKYな同期"ニ"から告白される。人生初告られの彼女はテンションが上がる。しかし、タイプでない"ニ"との恋愛は気乗りせず、"イチ"が忘れられない彼女は、もう一度"イチ"と再会すべく、他人になりすまし同窓会を計画する。

妄想癖が強い女の子が、必死にもがきながら生きる話。

 

コメディ要素が強く、テンポの良い映画。突然始まるミュージカルや、さまざまな斬新な演出。妄想と現実の巧みな構成。飽きずにどんどん引き込まれていく。

後半にかけてだんだん社会とのバランスが保てなくなっていく彼女は、見ていてヒリヒリした。あぁ、このやり場の無い痛々しさ、綿矢りさっぽいなぁ…、って感じ。

ミュージカル部分は、松岡茉優の歌声がとても心に響いた。しかし監督曰く、これは歌ではなく"叫び"らしい。そう言われると、とても納得した。

松岡茉優の演技は本当にすごかったけど、脇を固める俳優陣も良かった。個性的なキャラクター達が、物語にインパクトと厚みを与えていた。話しかけたくなるような人達。友達になりたいけど話しかけることはできない感じ、分かる。

軽快で楽しい前半から、手から零れ落ちるような息苦しい後半まで、全編見逃すことができない作品だった。

黒猫チェルシーの主題歌も良かった。泥臭い感じが。

 

 

新年一発目から良い邦画に出会えた。原作も読まなくちゃな。

次は何観ようかな。

小説『鍵のない夢を見る』

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新年1冊目は、辻村深月の『鍵のない夢を見る』

2012年の直木賞作品。全5編の短編集。

 

誰にでも起こりうるような話。

普段の生活から一歩踏み外してしまったら、後はもう、転げ落ちるばかり。

手から零れる砂のように、もう取り戻せない。

 

5人の、救いのない女達の話。

設定だけ聞いて冷静に考えたら、「いや辞めとけ辞めとけ、おかしいやろ。」って思うんだけど。

読んでると、抑えられない気持ちや、止まらない電車に乗ってしまったような焦燥感に、痛いほど共感してしまう。

そんな、辻村深月の秀逸な筆が光る作品。

 

 

特に気に入ったのは2編。

 

1つ目は「仁志野町の泥棒」

住人全員が知り合いの小さな町。そこに季節外れの転校生が来た。その子は明るい性格ですぐに仲良くなった。ある日、その子の母親が近所で泥棒を働いているという噂が流れる。外出時に鍵もかけないような田舎町で、留守を狙ってほんの少しのお金をくすねているのだ。彼女は前の町でも、その衝動的な盗みがやめられなかった。そしてこの町に引っ越して来た。

周りの大人達は全て知っていた。知った上で、ご近所付き合いだからと警察には届けず、運動会でもスーパーでも、普通に彼女と話しているのだ。なぁなぁにしている訳ではないが、それが大人の折り合いというもの。子供は、初めて清濁織り混ざった気持ちの悪い世界を知る。

クラスメイトの母親は言った。「生理のようなものだ」と。毅然とした態度で、隠すこともせず子供に真に伝える姿に、私もこうなりたいと思った。

この編は、泥棒がやめられない女には焦点を当てず、その周りの子供達目線の話。クラスの友人や、友達の親、自身の親など、多角的に影響され目まぐるしく生きる子供の姿に、面白いと思った。

 

 

2つ目は、「芹葉大学の夢と殺人」

大学時代の教授が殺された。すぐに思い浮かんだのは、当時付き合っていた彼氏。大きすぎる夢を真剣に語っては周りから浮き、自分の感性のみを信じ相手を容赦なく傷付ける彼。夢を見過ぎて現実がままなっていない彼は、卒業できないのは教授のせいだと思っていた。そしてその不安が的中するように、数日後彼が指名手配される。

彼から「最後にもう一度会いたい」と電話がかかってきた女は、彼に会いに行ってしまう。まじかぁ、と思ったけど、多分私も会いに行ってしまうだろう。

そして、再会した彼はあまりにも変わってなく、あまりにも現実から離れていた。そんな彼を見て、女は衝動的な計画を思い付く…。

この編こそ、止められない転落って響きがピッタリだと思う。女は堅実な道を進んでいたのに、いつの間にか後戻りできなくなってしまった。最後の行動は、自暴自棄なのか、前向きな気持ちなのか…。現実が見えてない男にも、落ちていくしかない女にも、両方に共感してしまったから面白い。

 

 

新年1冊目にしては、心臓がキュッと掴まれるような本だった。すごく面白かったけど。

次は何読もうかな。